ハーモニックプランツ
生物多様性を守るため、生態系や遺伝子系統に対する影響などを踏まえて植栽計画地に応じた緑化植物を選択しています。このような生物多様性に配慮した緑化植物提案を「ハーモニックプランツ」と名付け、全ての緑化活動に適用しています。

住友林業緑化が提案する、生物多様性に配慮した緑化植物提案手法”ハーモニックプランツ®”(住友林業の登録商標)が2012年度グッドデザイン賞を受賞しました。
ハーモニックプランツ®とは?
樹木には、日本に古くから自生している植物(自生植物)と、外国から入ってきた植物(移入植物)、そして園芸植物があります。移入植物の中には、その特質によりごくまれに自生植物の棲息する場所を無くしたり、地域の生物多様性を脅かすような種もあります。もちろん、すべての移入植物が侵略的になるわけではありません。自生植物、栽培品種(園芸種)、そして安全な移入種を組み合わせて生態系に考慮した彩り豊かな植物を選ぶことが大切です。こうした観点による植物選定の対象となるのが「ハーモニックプランツ®」です。

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里山エリア
保全・里山エリアには、地域性を守るべき自生植物以外は植樹しない。
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街区エリア
人々が暮らす街区エリアには自生植物を主体に、栽培品種・安全な移入植物を組み合わせて彩りある植樹を実現。
ハーモニックプランツ®による樹木選定方法
植栽計画地の保全レベルを考慮した4つのエリア(保護エリア、保全エリア、里山エリア、街区エリア)に応じて植物種を選択。たとえば、住宅の庭づくりを行う「街区エリア」では、「栽培品種を含む自生種」を主体に「侵略性のない移入種」からも緑化植物をバランスよく選択することで「彩り」を演出しています。
侵略植物は使わずに、自生植物栽培品種を中心とした樹木選び
自生植物の例
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ヤマボウシ
※ミズキ科
生長が速く端正な樹形にまとまり管理しやすい。花、実、紅葉と見どころいっぱい。
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アオダモ
※モクセイ科
野趣があり風にそよぐやわらかな樹形が魅力。
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イロハモミジ
※カエデ科
美しい紅葉樹の代表種。 日本の秋を彩る、里山のメインキャスト。
侵略植物の例
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ランタナ(七変化)
※クマツヅラ科
国際自然保護連合(IUCN)の世界の外来入種ワースト100に含まれており、海外でも問題になっています。
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トウネズミモチ
※モクセイ科
訪花昆虫や果実食の鳥類への誘引力が強く、多数の種子が鳥により散布されて容易に分布を拡大します。
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ホテイアオイ
※ミズアオイ科
浮遊性の水草。水面を覆い尽くし光を遮ることで在来の水生植物の生存を脅かすおそれがあります。