PROJECT STORYUR都市機構常盤平団地
緑が次世代へとつなぐ
コミュニティ
多様な価値を創出する場として
団地緑地を活用
団地の緑から新しいコミュニケーションをつくる
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団地が抱える社会課題に
「緑」ができることとは大規模住宅団地の多くは昭和30~40年代に建設され、建物の高経年化や居住者の高齢化といった課題に直面しています。
一方で、年月を経て育まれた敷地内の樹木や植栽は、地域の人々が季節の移り変わりを楽しめる、緑豊かな屋外環境を創り出しました。
住友林業緑化ではUR都市機構様とともに、緑地環境を団地の活性化に生かす取り組みを進めています。 -
千葉県松戸市にあるUR常盤平団地は、昭和35年に整備された管理戸数約4,800戸の賃貸住宅で、住棟数167棟、敷地面積35.5ヘクタールの大規模団地です。
そのうち緑地面積は約20ヘクタールに及び、建設から約60年の時を経て、4,300本あまりの高木を含めた樹木が育つ豊かな緑空間を形成しています。
コミュニティ活動の活発な団地としても知られ、団地自治会や社会福祉協議会などが中心となって、お祭りやコミュニティサロン開催など、自助・共助の取り組みを長年にわたり行っています。「新・日本街路樹百景」に選ばれた常盤平けやき通り
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身近な緑の楽しさを知る、
つながりをつくる
ガーデンツアーこのUR常盤平団地で、地域住民に緑の価値を再発見していただくための試みとして、団地の特徴的な緑地をめぐる「ガーデンツアー」がスタートしました。
ツアーガイドは住友林業緑化が務め、専門家の立場からケヤキやメタセコイアの大径木や、古くから現存する松林の林床植物など、特徴的な緑の説明を行っています。さらにヤマグワの実を取って食べたり、カタバミの葉で10円玉を磨いたりと、五感を使った体験を交え、参加者は楽しみながら身近な緑への興味を深めました。
また、団地の緑の魅力を誰でも、いつでも楽しめるように、広場の掲示板に季節の美しさ、豊かさ満載の団地光景を紹介する写真展を実施。この写真展をご覧いただいた方に好きな団地光景を投票してもらい、その声をまとめた「常盤平お散歩マップ」も作成しています。ガーデンツアー「ヤマグワの実を採って食べてみる」
「カタバミの葉で10 円玉を磨く」
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環境認証「SEGES そだてる緑」
認定を取得こうしたさまざまな取り組みの中、2021年04月、UR都市機構「常盤平団地」の緑地は「SEGES(社会・環境貢献緑地評価システム)」(主催:公益財団法人都市緑化機構)の社会、環境に貢献する緑地を評価する「そだてる緑」部門Excellent Stage 2の認定を取得しました。住空間の緑としてSEGESでの「そだてる緑」部門の評価は第一号の認定です。
その後、様々な取り組みを実施したことがSEGES評価認定委員会に評価され、2025年3月更新審査の結果、Excellent Stage 3に昇格しました。SEGES認定マークと関連するSDGs
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子供たちの教育や
松戸市との連携で
ひろがるコミュニティガーデンツアーや写真展の試みは、団地自治会広報で大きく紹介されました。それを目にした常盤平第一小学校の校長からの協力依頼をきっかけに、2022年5月からは総合学習の一環として、小学生向けガーデンツアーを実施しています。子供たちが団地の緑に興味を持ち、守っていきたいという気持ちが芽生え、次世代へのコミュニティの広がりが期待されています。
豊かな緑環境は、居住者のコミュニケーションのみならず地域の環境教育の場として、さらには地域活性の基盤として活用できる可能性を持っています。住友林業緑化は緑のプロフェッショナルとして、こうした取り組みをさまざまな側面から支援しています。小学生向けガーデンツアー「みんなで幹回りを測定」
写真提供:UR都市機構
環境認証SEGES(シージェス)とは?
Social and Environment Green Evaluation System
企業等によって創出された良好な緑地と日頃の取り組みが、地球温暖化やヒートアイランド現象の緩和、地域生態系の保全、良好な景観の保全と創出、地域社会とのコミュニティ醸成や安心・安全なまちづくりなど社会や環境に貢献していることを、第三者審査会により評価し、(公財)都市緑化機構が認定するものです。
「そだてる緑」「都市のオアシス」「つくる緑」の3つの部門から構成され、今回は「そだてる緑」の認証を取得しています。
「そだてる緑」の認定ラベルは5段階あり、新規認定から2年間は維持審査、3年目は現地審査を伴う更新審査を実施します。更新審査時に認定ラベルステージが上がるチャンスがあります。

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