PROJECT STORYENEOS株式会社 根岸製油所
中央緑地が育む、
生態系と地域のつながり
ENEOS、根岸製油所「中央緑地」─ 企業・地域・いきものをつなぐ森
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横浜市に位置するENEOSの根岸製油所は、約220万㎡(東京ドーム約47個分)という広大な敷地を有しています。そのうち約26万㎡が緑地として確保されており、地域でも貴重な自然資源となっています。みどり価値推進部が利活用マネジメントを担う中央緑地は、その緑地群の中にある約6万㎡の森で、根岸という都市部でありながら、これだけのまとまりある森が存在していること自体が大きな価値となっています。さらに中央緑地は、周辺に点在する三溪園や根岸森林公園などの緑とも生態的につながり、地域の森を支えるネットワークの一端を担っています。
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時代とともに変わる
企業緑地の役割1964年、根岸製油所の操業開始とともに「緑豊かな公園工場」をめざして整備が始まった根岸製油所の森。当時の工場緑地は、法令に基づき緑を確保することが中心で、今日のように活用や付加価値まで求められる時代ではありませんでした。
しかし、2015年にSDGsが国連で採択され、世界中で企業の環境配慮や地域との協働が重視されるようになり、企業緑地の役割にも大きな変化が生まれました。緑地は、単に緑を備える場から、企業の価値創出や地域とのつながりを育む重要なフィールドとして注目されるようになりました。
こうした社会的な潮流の変化は、根岸製油所の緑地においても、緑のあり方を“守る場”から“企業と地域の価値を育む場”へと発展させていく契機となっています。
1964年当時の様子
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中央緑地の再生と
広がる生態のつながり2016年からは、“工場の中の里山”づくりを掲げ、緑地の質を高める取り組みが本格的に進められました。光や風が届くように樹林を整えることで、単一的だった環境に変化が生まれ、下層植生や昆虫類、小鳥など多様ないきものが利用できる場へと更新されていきました。この変化は中央緑地そのものを豊かにしただけでなく、周辺の森ともゆるやかにつながり、いきものが行き来しやすい環境づくりにも寄与しています。地域の自然環境に良い循環を生み出す“拠点”としての役割が、少しずつ形になり始めています。敷地内には大きな水辺環境もあり、この環境を目がけてカワセミが飛来する姿も確認されています。現在では、都市部にありながら 367 種類ものいきものが確認される豊かな森へと育っています。
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森とふれあい、学びを育む
「エネ森フェア」ENEOSの根岸製油所では、社員のご家族や周辺にお住まいの方々を対象に、企業緑地を活かした環境学習イベント「エネ森フェア」を開催しています。この取り組みは、横浜市立大学 国際教養学部 三輪教授と連携し、企業緑地を地域の自然資源として活かしていくための試行として位置づけられています。三輪教授は“まち保育”の観点から、街の中にあるさまざまな資源を子どもたちの学びと育ちに結びつける研究を行っており、その知見をもとに緑地の価値をハード・ソフトの両面で高める取り組みを協働で進めています。エネ森フェアでは「あおぞら紙芝居」「森の秘密基地づくり」「鳥の巣箱の飾り付け」「スタンプラリー」など、子どもから大人まで楽しめる多彩なプログラムをゼミ学生と共に実施。森、生きものとふれあう体験を通じて、中央緑地の価値を感じ、学べる機会を育んでいます。
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外部評価が映し出す、
中央緑地の価値づくりこうした取り組みの積み重ねは第三者からも評価され、 ENEOSの根岸製油所・中央緑地は複数の認証を受けています。2020年には、生物多様性に配慮した緑地づくりが評価され「いきもの共生事業所®認証(ABINC認証)」を取得。続く2025年には、継続的な生物多様性保全と、企業緑地を活かした環境教育の実践が認められ、ABINC特別賞を受賞しました。また2023年には、自然と共生する取り組みが確かなものであると評価され、環境省「自然共生サイト」にも認定されています。これらの認証は、根岸製油所が積み重ねてきた取り組みが、企業内部だけでなく社会的にも価値あるものとして評価されてきた証です。緑地がいきものの保全にとどまらず、地域の人々や子どもたちが自然とふれあい、学ぶ場として成長してきた成果が、こうした外部評価につながっています。みどり価値推進部は、緑地の魅力と可能性が企業価値・地域価値へとつながるよう、生態系の視点と活用の視点を踏まえ、いきものと人、企業と地域を丁寧につなぐ取り組みをこれからも支援してまいります。
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